まんが☆天国 TOP > まんがのチカラ >  『荒木飛呂彦先生』 その2

『荒木飛呂彦先生』 その2

現在、ウルトラジャンプで『スティール・ボール・ラン』を連載中の荒木先生。
その唯一無二の作品は、はたしてどのような環境から生まれてくるのでしょうか?
そこで、ここでは、荒木先生がどのように作品作りに取り組んでいるのかを教えていただきました。あの「ポーズ」や「構図」がどのようにして生まれたかの秘話も大公開!

<<『荒木飛呂彦先生』 その1

『荒木飛呂彦先生』 その3>>

「ジョジョ立ち」はイタリアのアートから生まれた?

----荒木先生の作品と言えば、独特な構図やポーズ、いわゆる「ジョジョ立ち」なども話題になりますが、ああいったものはどこから生まれてくるんでしょうか?

jojodachi1.jpg

荒木:あれはねえ......えーと、さかのぼって話しますが、僕がデビューした80年代頃って、先輩とか同年代の人たちに、ものすごいまんが家さんがたくさんいらっしゃったんですよ。

どういうふうにすごいかっていうと、例えば『キャプテン翼』(高橋陽一先生)や『リングにかけろ!』(車田正美先生)、『北斗の拳』(武論尊先生/原哲夫先生)とかの絵って100m先からでも分かるんですね。それってものすごい事なんですよ。

araki0003.jpg

そういうのが自分にはないな、ってことをずっと感じていて......。プロになってからもずっと悩んでいたんです。 それが、25、26歳くらいの時、取材旅行に行ったイタリアで彫刻とか見ていて気がついたんですけど、なんかこう、全部ねじれているんですよね、ポーズが。

そこで突然「これだ!」ってひらめいて、これを自分なりに描いてみようかなって。ああいう螺旋とか曲線みたいなものを突き詰めていこうと思ったんですよ。

----「絵柄」ではなく「ポーズ」とか「造形美」とかで自分らしさを演出しようと思ったわけですね。

荒木:とにかく「自分なりの絵」ってのが描きたかったんです。

----自分だけのスタイルが欲しかった?

荒木:特に少年ジャンプとかのあの頃はね。

当時の、ジャンプ編集部の風潮で、真似するともんのすごいけなされるんですよ。「これは○○○のパクリだ」「こんなんじゃダメだ!」って。それこそ毎日言われてました(笑)。

あの当時、ジャンプ編集部で言われた事は今でも身体に染みついていますね。自分の中でオキテみたいになってますよ。「まんがとはこうあるべし!」みたいな。

----具体的には?

araki0004.jpg

荒木:例えば、当時の少年まんがって眉を太く描かなきゃいけないってのがあって。それが未だに抜けませんね。細くするとね、キモチ悪いんですよ。刷り込みって克服するのが、大変ですよね(笑)。

(次回更新予定: 7/9(月)頃)

荒木飛呂彦先生編

「荒木先生のことをもっと知りたい!」と思ったまんてんから、さらりと、でもかなり突っ込んだ質問を投げかけてみました。先生、よろしくお願いします!

無人島に一冊だけ、まんがを持っていくとしたら?

迷うなあ......あえて選ぶなら『バビル2世』(横山光輝先生)の第4巻を持っていきます。自分の原点なんですよ。バベルの塔に入っていくバビル2世が襲われるシーンがあるんですけど、そこが良いんですよね。

好きな映画は?

『大脱走』(ジョン・スタージェス監督)と『ヒート』(��イケル・マン監督)かな。

『大脱走』は、スティーブ・マックイーンが何度も戻ってくるところが泣けるんですよ。あの男気、みんなのために戻ってくるところが良いですね。たまらないです。

『ヒート』も、ロバート・デ・ニーロが逃げれば良いのに逃げない、そういうところにグッと来ますね。銃撃戦もかっこよかった。

好きな食べ物、嫌いな食べ物は?

好きなのはスパゲッティ・トマトソース。嫌いなのは、サラダとかに入ってるトマトの皮ですね。煮たり、ソースにしてくれれば食べられるんだけど。

仕事中のBGMは?

CDで、主に洋楽です。

仕事中の気分転換は?

昼休みにジョギングに行きます。でも、外は空気が汚いのでジムで。
週に2回くらい、日によって違うけど、4、5キロくらい走ります。

こういう姿勢で働いてると身体に悪いんでね、身体を動かしたいですね。

学生時代の得意な教科は?

世界史かなあ。得意っていうか、好きでした。
教科書にキャラクター描いて覚えてましたよ(笑)。

今、手塚治虫先生に会ったらどうしますか?

デビューの時にお世話になったんですよ。 もし、今会えるのなら、「手塚賞の受賞パーティではあがってしまって失礼しました」っておわびしたいですね。

今、会いたいタレントさんは

キーファー・サザーランドに会いたいですね! 『24 -TWENTY FOUR-』全部見てるんですよ(笑)。

好きな街は?

イタリアのカプリ島が好きですね。
でも、これ読んで人が殺到したらイヤだなぁ(笑)。

もし生まれ変わるなら、どの時代に生まれ変わりたい?

ルネッサンスがいいですね。西部開拓時代もいいな。 仕事はまんが家がいいですが、ない時代なら絵を描く人でありたいです。 絵を描きながら旅したいですね。

荒木飛呂彦プロフィール

荒木飛呂彦(あらきひろひこ) 1960年、宮城県生まれ。

『武装ポーカー』で第20回手塚賞準入選。1983年、週刊少年ジャンプ『魔少年ビーティー』で週刊連載デビュー。その後、『バオー来訪者』を経て、『ジョジョの奇妙な冒険』を連載開始、同誌で15年以上続く長期連載として人気を博した。また、それと平行する形で、歴史上の偉人にスポットを当てた『変人偏屈列伝』の原作も担当(一部は作画も担当)、その独自性のある展開や演出には熱心なファンが多い。現在は、ジョジョシリーズ第7部に相当する続編『スティール・ボール・ラン』をウルトラジャンプで連載中。


『スティール・ボール・ラン(12)』 新刊情報はこちら

2007年07月02日