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『荒木飛呂彦先生』 その6

個性溢れる名作揃いだった週刊少年ジャンプ誌上においても、特に際立つ個性を備えた作品として話題になった『ジョジョの奇妙な冒険』。ここではその誕生にまつわる、荒木先生ならではの「こだわり」について語っていただきました。

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広がる「ジョジョ」ワールド

―― さて、今や、『ジョジョ』といえば、各界のクリエイターやアーティストにも熱狂的なファンがいますよね。そういう、別の世界で活躍していらっしゃる著名人に『ジョジョ』が愛されているということについてはどう思われますか。

荒木:長い間やっているとね、自分って古いのかなって思う時期があるんですよ。でもそういうふうに言ってもらえるとね、古くてもこのままさらに行けばいいんだって思うんですよ。だからうれしい、ありがたいですね。

―― CDジャケットやTシャツデザインなど、他業界のアーティストとのコラボレーションも積極的に行なわれていますよね。

CDジャケット:
『Catwalk』 SOUL'd OUT(Sony Music Entertainment, 2006)
『MUSIC IS THE KEY OF LIFE』 SUGIURUMN(MIDI Creative, 2000)
『LIFE GROUND MUSIC』 SUGIURUMN(MIDI Creative, 2002)

Tシャツ:
UNIQLO CREATIVE AWARD 2006(完売)

荒木:そうですね、頼まれるとうれしいし、つい引き受けちゃいますね。仕事というより、気分転換って言うんですか? 休みの日に楽しんで描いてますよ。

―― 休日にお描きになってるんですか?

荒木:良い気分転換になってますよ。それに僕や『ジョジョ』のことを知らない人達に見てもらえるのもいいですね。「これは何だ?」って思ってほしい。

―― そうやって『ジョジョ』を知って、ファンになった人も多いと思います。ちなみに、まんがとイラストでは何か違ったりするんでしょうか?

荒木:心構えが違いますね。イラストの場合はパッと見た時の印象に残る感じを大事にするから、ポーズとか色とか構図を考えるのにすごい時間をかけますよ。

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例えば手をかくときは、自分の手を眺めて考えたり、実際に紙に描いて消して、描いて消して、時間をおいてまた描いて、そんなふうにして作っていきます。まんがは、ストーリーができているから、カメラをとっていくように一個の流れで描いて行くんですが、それとはだいぶ違いますね。

―― たしかに、引き込まれるようなそんな引力を感じますね。ところで、それとはまた別のコラボレーションとして、『ジョジョ』のゲームやアニメがありますが、ああいう風に、自分の作品を、別の人間が別の作品にしていくことについてはどのようにお考えですか?

荒木:アニメにせよ、ゲームにせよ、質の高いものにしてもらいたいですね。大事なところを適当に流さなければ、好きにやってもらってかまいません。絵が変わってもいいし、声優が誰でもいい。

その点、ゲームは原作にない展開があったりして、けっこう良くできているんですよ。自分の描いたキャラクターにやられるのはむかつきますけどね(笑)。

―― 最後の質問です。先生は、これからも『ジョジョ』を描き続けますか?

荒木:編集部からそろそろ違うの描けって言われているんですけど、もう無理ですね。何を描いても『ジョジョ』になってしまう。自分の考えていることはひとつなので、そこを器用に分け��れないんですよ。だから飽きられたら終わりなんだろうな(笑)。

―― 逆に荒木先生がまんがを描くに飽きるということはないんでしょうか?

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荒木:さっきも言いましたけど、つねに謎とかを追究し続けたいんですよ。ネッシーっているのかなとか、殺人鬼はなんで人を殺すのかとか、ピカソはなんで絵を描くのかとか......。そういう謎ってなくならないじゃないですか?

飛行機とかが飛ぶようになって地球が狭くなった時に謎ってなくなんのかな、って思ったけれど、まだいっぱいあるんでやめられそうにないですね。

荒木飛呂彦プロフィール

荒木飛呂彦(あらきひろひこ) 1960年、宮城県生まれ。

『武装ポーカー』で第20回手塚賞準入選。1983年、週刊少年ジャンプ『魔少年ビーティー』で週刊連載デビュー。その後、『バオー来訪者』を経て、『ジョジョの奇妙な冒険』を連載開始、同誌で15年以上続く長期連載として人気を博した。また、それと平行する形で、歴史上の偉人にスポットを当てた『変人偏屈列伝』の原作も担当(一部は作画も担当)、その独自性のある展開や演出には熱心なファンが多い。現在は、ジョジョシリーズ第7部に相当する続編『スティール・ボール・ラン』をウルトラジャンプで連載中。


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