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『まんがのこれから』 その2

まんが☆天国がこの11月3日「まんがの日」をもって、めでたく3年目を迎えます! そこで今月は、それを記念するスペシャルコンテンツとして「まんがのこれから」を掲載。手塚治虫先生の登場で始まった「近代まんが」がこの先どうなるのか、その答えを「新世代まんが」の最先端にいる皆さんにインタビューしつつ見極めます!!

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これからのまんがは○○○で読む!?

「ケータイまんが」は始まりに過ぎなかった?

MiChao! MiChao!

前回「これからのまんがはケータイで読む!?」では、今や定番となりつつある「ケータイまんが」が、紙媒体の雑誌や単行本とは別の、新たな市場として成長していることに触れました。その規模はなんと229億円(2007年度/インプレスR&D; インターネットメディア総合研究所『電子書籍ビジネス調査報告書2008』より)。配信開始からわずか5年で、これほどの巨大市場に成長するとはだれも想像していなかったでしょう。

そして、その流れが今、さらに加速し始めています。 デジタル化したまんがが、ケータイやPCという枠を飛び出して、さらに広がっていこうとしているのです。

そこで今回は、そんなデジタルまんがの最先端を行く、講談社のデジタルまんが編集部「MiChao!」の編集長・清田さんにお話を伺ってきました。

清田編集長、これからのまんがって、いったいどうなっていくんですか?

――まず、「MiChao!」のなりたちについて教えてください。

清田:「MiChao!」は、講談社のPC向けコンテンツポータル「MouRa(モウラ)」のまんが部門となります。「MouRa」は2005年3月までサービス提供していた「Web現代」が前身です。「Web現代」には、Webの特徴を活かしたオリジナルまんがを提供する「e-manga」というコーナーが既にあったのですが、それとは別のコンセプトということで「MiChao!」が2005年11月にまずケータイ配信からスタート、12月の中旬にはPC版もプレオープンし、現在では、ケータイ・PCなど向けに配信するまんが作品の制作部門という位置づけになっていますね。

――現在、多くのまんが配信サービスがありますが、そこで配信されている作品群と比べて「MiChao!」作品がリードしている点はありますか?

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清田:他で読めないオリジナル作品であることですね。ケータイまんがの多くは既存作品をデジタル化したものですが、「MiChao!」作品は、全てが描き下ろし作品となります。これらの作品の1ヶ月間のページ数合計は約1100ページ。これは週刊まんが誌の1ヶ月分のページ数とだいたい同じ分量になるんですよ。

――ジャンルも多岐にわたっていますよね?

清田:そうですね。雑誌だと、たとえば少年マガジンなら男子向けのまんがに絞り込むのが普通ですが、「MiChao!」の場合は、子ども向けから大人向け、男性向けから女性向け、アクションからボーイズラブまで、さまざまな作品を扱っています。あまりに多いので、目当てを探すのが大変なくらいです(笑)。

――ある程度、方向性を決め込んだ方が作りやすいと思うのですが、そうしなかった理由はなぜですか?

清田:可能性をけずりたくなかったというのが最大の理由ですね。「MiChao!」を始めた当初は、何が当たるのかも分かりませんでしたから、とにかくいろいろやってみようと。ですので、編集部もさまざまなタイプの編集者が集まっています。これまでヤングマガジンやモーニングをやっていた者もいますし、ボーイズラブを得意とするフリーの編集者も参加しているんですよ。

――その結果、人気が出たのはどんな作品でしょうか? 個人的な印象で言う���、エッチな作品がウケていそうな気がするんですが......(笑)。

清田:それはありますね(笑)。たとえば男性向けでは、『ヴァイブ』(みやすのんき先生)が人気なんですが、これはサムネイルからも分かるように、ちょっとエッチな「官能サスペンス」作品です。ちなみにみやす先生は非常に根強い人気があって、ケータイ配信のダウンロード数でも常に上位に入る人気があるんですよ。 あと、最近伸びているのは『アイゼンファウスト』(原作:山田風太郎先生/作画:長谷川哲也先生)ですね。こちらは「官能忍術バトル」といった内容で、最近、一部のケータイ書店でプッシュされたことが、火が付きはじめた理由のようです。 女性向けで人気なのは、アンソロジー形式の『あたしたちの快感桃色日記』シリーズでしょうか。女性は壮大なストーリーものよりも、寝る前にベッドの中で気軽に読めるようなシンプルな作品が好きなようですね。中でもBL(ボーイズラブ)、TL(ティーンズラブ)が好評です。『@FULL Moon』(真東砂波先生)のようなイケメンキャラがたくさん登場するファンタジー作品も人気が高いですよ。

――いわゆる「エッチ系」というだけでも、これだけ多彩なことに驚かされました。紙媒体の「雑誌」ではできない、「MiChao!」ならではのすごさだと思います。

清田:もちろんエッチ系以外でも、注目されている作品がたくさんあります。たとえば往年の少年マガジンファンには、あの『名門! 第三野球部』『上を向いて歩こう』の続編、『復活!!第三野球部』(むつ利之先生)や、『THE STAR』で人気を博した島崎譲先生の『花かんざし捕物帖』などがオススメです。

――読み応えのある力作揃いということですね! ちなみにこれらの作品は、どのように制作されているんでしょうか? 従来の紙媒体とは異なる作り方なのでしょうか? 最初からPCやケータイ向けのサイズで作っているとか......?

清田:いや、基本的には雑誌と変わりませんね。原稿ができあがるまでの段取りは全く同じですよ。「紙」と「デジタル」はあくまで配信方式が違うだけなので、「作り方」自体は変わりません。編集者の中には、ケータイの狭い画面でも読みやすいように、キャラクターとフキダシを近づけてもらったりなどといった工夫をしているものもいますが、本当にそれくらい。サイズに関しても人気の高い作品は紙の単行本にもしているので、全ての作品がそれに耐えうるクオリティで作っています。

――なるほど。やはり最終的には紙の単行本を目指しているんですか?

清田:人気が高いものに関しては、すでに紙の単行本になっていますよ。ただ、紙の単行本にこだわらずに、電子書籍形式の単行本にして、「講談社コミックプラス」や「Yahoo!」などといったインターネット書店から販売するなど、デジタルならではの試みも当初から多数行なっています。

――具体的にはどういうことですか?

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清田:まず配信先をPC、ケータイ以外のデジタル機器に広げています。最近の例を言うと、話題の『iPhone』への対応を始めました。『iPhone』専用アプリというかたちで、『復活!!第三野球部』などの「MiChao!」作品が有料配信されています。これによって、従来のケータイ配信では難しかった世界中にケータイまんがを販売できる可能性がでてきました。(注:『iPhone』用アプリは全て、アップル公式の「AppStore」を介して世界同時販売される)。もし世界同時販売となると、表現や内容への配慮などの難しさもあるのですが、世界に向けてというのはやはり大きい。今後、より積極化していきたいと考えています。

――デジタル化によって、1つのまんが作品が多様なかたちで広がっていき、さらにインターネットを利用することで世界中で読めるようになる。そういう時代がもう本当に目前までやってきているんで���ね!!

清田:作品をデジタル化することで、いろいろな活用方法が可能になったということのあらわれですね。そのほか、ケータイ用のデコメテンプレートや待受画面、ムービーなども配信しています。さらに、携帯ゲーム機『ニンテンドーDS』向けの配信サービス「DSvision」も現在準備中ですし、テレビを活用する可能性も模索中です。

――デジタルならではの強みを徹底的に活かしているんですね。

清田:まさにそれこそが我々の目的なんですよ。雑誌→単行本→デジタル配信という流れだった従来のまんがビジネスモデルを、デジタル配信からスタートし、単行本化だけにとどまらない、積極的な二次利用を促進するビジネスモデルに生まれ変わらせる。そのための作品を制作・提供するのが「MiChao!」なんです!

オススメデジタルまんがサイトリンク集
ここでしか読めない作品も多数!? まんがファンなら要チェックだ!!

【MiChao!】
講談社デジタルまんが配信サイト。毎月約1100ページの新作まんがをケータイ配信後に期間限定で無料Web公開!!

【ウルトラジャンプエッグ】
集英社ウルトラジャンプのWeb増刊誌。『キン肉マンレディー』(小川雅史先生)などのオリジナル作品を多数公開中!!

【ソク読み】
小学館の電子書籍配信サービス。「YSスペシャル」のデジタル編集版を書店販売版と同時配信!!

【白泉社オンライン】
白泉社公式ウェブサイト。「WEB限定コンテンツ」として『嫁姑教室』(柏屋キクゾー先生)、『とうがらし一味』(江咲桃恵先生)の描き下ろし限定4コマを配信中!!

ケータイでもオリジナルまんが!

モバMAN

【モバMAN】
小学館のケータイまんが配信サイト「コミック小学館ブックス」内にて、男性向けオリジナルまんがを配信中!(女性向けは「モバフラ」をチェック)

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次回予告
次回の「まんがのこれから」は、まんが表現の新たな可能性について。ケータイやインターネットなどの各種デジタル技術を活用することで、これまでのまんがでは不可能だった新表現が可能になるということを、集英社ヴォイスコミックステーション-VOMIC-を例に解説します。声優・福山潤さん、飯塚雅弓さんへの特別インタビューも掲載!!え? これからのまんがは喋ったり、音が鳴ったりするようになるんですか?第3回「これからのまんがは耳でも楽しむ!?」11月17日(月)掲載予定。乞うご期待!!

2008年11月10日