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『まんがのこれから』 その4

まんが☆天国がこの11月3日「まんがの日」をもって、めでたく3年目を迎えます! そこで今月は、それを記念するスペシャルコンテンツとして「まんがのこれから」を掲載。手塚治虫先生の登場で始まった「近代まんが」がこの先どうなるのか、その答えを「新世代まんが」の最先端にいる皆さんにインタビューしつつ見極めます!!

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これからのまんが家はWebから巣立つ!?

インターネットからプロのまんが家を目指そう!!

DreamTribe DreamTribe

第1回~第3回にかけて、まんがが発表される場の変化について取り上げてきました。紙媒体だけでなくケータイやゲーム機などにも活躍の場を増やしつつあるまんが。VOMICのような「音声付きまんが」という新しい試みも注目を集めつつあります。

そんな中、プロを目指すまんが家の「登竜門」にも変化が起っています。まんが賞への応募や編集部への持ち込み、ここ10年ほどで常識となった同人誌からのデビューなどに加え、インターネットを利用した新しいかたちの作品発表の場が生まれてきているのです。

今回は、そんなニューウェーブ登竜門の1つである「DreamTribe(ドリームトライブ)」を運営する、小学館と小学館集英社プロダクションにお話を伺ってきました。

DreamTribeからプロのまんが家になれるって本当ですか?

――まずは「DreamTribe」について教えてください。

DreamTribe:「DreamTribe」は、今年6月からサービスを開始したばかりの無料のまんが・イラスト投稿サイトです。多くのアマチュア作家から投稿された作品をインターネットブラウザ上で楽しむことができます。もちろん作家にも読者にも利用料金はかかりません。全て無料で利用できます。作品を読むだけであれば、サイトへのユーザー登録も不要で、気軽にご利用いただけます。

――どういった経緯でサイトを立ち上げられたのですか?

DreamTribe:業界を取り巻く環境が変化し、今、媒体数に比べ、作家数が飽和状態になってきており、すでにプロデビューしている作家にとっても発表の場を探すのが厳しい状況です。そんな中、まだ実績のない作家がプロデビューするのはとても大変なんですね。そこで、既存のまんが雑誌とは別の発表の場を設けるべきではないだろうか、と考えたのが「DreamTribe」誕生の理由です。米国プロ野球で言うところの「マイナーリーグ」のようなものを作りたかったんですよ。若手作家達が切磋琢磨してプロを目指すというわけです。

インターネットでの展開を選択したのは、インターネットがさまざまな作品形式に対応できるからですね。現在はまんが、4コマまんが、イラストに限定していますが、今後は小説やアニメーションなどにも拡大していく予定です。そのほかゲームに関しても検討しているんですよ。

――アニメやゲームにも対応するんですね!

DreamTribe:アマチュア作家が生み出す作品、コンテンツは全て取り扱えるようにしてきたいですね。ゲームに関しては、とりあえずサウンドノベルから対応していきたいと考えています。また、その流れの中で、今後はいわゆる「作品」だけではなく、アマチュアプログラマーが作成する制作支援「ツール」についても紹介していきたいと思っています。

――現在の利用状況を教えてください。

DreamTribe:投稿作品数は約450作品、投稿作家数は200人弱といったところです(11月現在)。作品数、作家数ともこれからもっと増やしていかなければいけないと思っています。

――主にどんな人が利用しているんですか?

DreamTribe:正確に統計を取っているわけではないのですが、中心的な利用者は20代のようです。およそ半数くらいが20代。残りを30代、10代ユーザーが半々ずつわけあっているという感じのようです。男女比に関しては7:3で男性が多いんですよ。

――作品の傾向はどんなものが多いのですか?

フドータカユキ フドータカユキ
『狛犬でいこう!』

DreamTribe:ジャンルについては多岐にわたっていますね。ただ、当初予想していたよりも連載ものが多いようです。サイトを始める前は、1話完結の読み切りが多いだろうと思っていたので、これは予想外でした。

――具体的に特に人気の高い作品を教えていただけますか?

DreamTribe:人気の高さもさることながら、注目しているのがフドータカユキさんという作家さんですね。この方は何がすごいって、更新ペースがすごいんです。サービス開始直後から毎週更新で作品をアップし続けているんですよ。今では固定ファンもついているほどです。

――カラーでこのクオリティの作品を週刊連載って、普通のプロの作家さんよりハイペースじゃないですか? すごいですね!

DreamTribe:このレベルの作家さんがもっとたくさん参加して、競争が激しくなっていくと、もっと面白いことになっていくと思っています。そのためのシステム作り、インフラ整備が今後の課題ですね。実は今も、ほぼ毎週システムを更新しているのですが、これからも作家さんのモチベーションをアップさせる仕掛けや、読者がより作品を見つけ出しやすいようにする仕組みなどを充実させていく予定です。いわゆる雑誌の「まんが賞」的なイベントも積極的に展開していく予定です。

――そうなると気になってくるのは、ここから「プロ」になれるのかということなんですが、DreamTribeに現れた金の卵作家を、「プロ」として雑誌デビューさせようというような動きはないんですか?

DreamTribe:もちろん、そういうことは考えていますよ。可能性を感じさせる作家さんもいらっしゃいますので、DreamTribeから雑誌デビューさせる、ということを目標に置いてやっていきたいですね。

ただ、作家さんの囲い込みはしていない(掲載作品には、各作家さんの個人サイトへのリンクを貼ることができる)ので、ひょっとしたらDreamTribe経由で他の出版社さんから声がかかっているという人はいるかもしれません。

――サイト上では、自由に作家さんのホームページにリンクできるんですね。でも、これだとDreamTribe発の作家や作品を、他社や他雑誌に持って行かれるってことになりませんか?

DreamTribe:我々の側からするとそういう面もあるかもしれませんね。ただ、作家さんにとっては純粋にチャンスが増えるということですから、そこは規制したくないんです。

とにかく今、我々が大事にしたいのは、このDreamTribeという仕組みを世の中に根付かせること。まずは、「良いことはあれど、悪いことはない」と思ってもらえるようになりたいと考えています。また、今は読者として参加してくださっている人にも「僕もやってみたいなぁ」「私にもできるかも」と思ってもらいたいですね。多くの人に作品を投稿してもらえるようになればうれしいです。

★「DreamTribe」はこちらから
http://www.dreamtribe.jp/

2008年11月24日