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『三田紀房先生』 その6

現在、週刊連載(『ドラゴン桜』/モーニング)と、隔週連載(『マネーの拳』/ビックコミックスペリオール)に加え、原作でも隔週連載(『銀のアンカー』/スーパージャンプ)を抱える、三田紀房先生。その画期的な仕事の進め方と、気になる余暇の過ごし方について教えていただきました。

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まんがのチカラで、みんなハッピー

----作品がドラマ化されるなどして、先生自身の身の回りはどのように変わりました か?

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三田:テレビや雑誌に出るようになってから、考え方がシンプルになってきましたね。 肝が据わって、なんでもやってやろうという気になりました。自信もついて、思い切 ったことをはっきり言えるようにもなったり。

そして、それと同時に、なんというか、献身的になったと思います。相手に対する思 いやりみたいなものが生まれた。

僕のまんがをドラマ化したいとか、インタビューしたいとか、なんらかのオファーを してくる人って、つまり、僕を利用して何かをやりたいということですよね? そこ で断わるってことは、そのアイディアをつぶしてしまうことになる。それはとても残 念なことですよね。

だから、なるべくそういうオファーは前向きに検討するようにしています。自分を通 してなにか大きな事を実現して、その利益をみんなで分け合いたい。商品を作って、 なるべくたくさん売って、みんなハッピー。まんがって、自分一人だけのものじゃな いって、最近はそう考えています。幸せな状況を、いかにたくさんの人に提供できる かっていう使命感みたいなものも感じていますね。

正直、『クロカン』をやっていたころは、野球やまんがの熱心なファンと自分の小さ な世界で満足していたところがありました。「面白かった!」「泣きました」って言 われればそれで満足だったんです。

でも、『ドラゴン桜』のおかげでより広い世界に出て行く必要性を学びました。

そして世界が広がると、いろいろとうれしいことが起きます。 最近一番うれしかったのはですね、佑ちゃん(斎藤佑樹投手)に会えたことですね。 集英社のインタビューについていっただけなんですけど、名刺渡して、まんが家です って言ったら、「あ、『ドラゴン桜』の!」って言ってくれて。

あれはうれしかったなぁ。

次回作でも、社会的ムーブメントを引き起こしたい

----『ドラゴン桜』が完結した後は、どのようなことを考えていらっしゃいますか?

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三田:それについてはいろいろ考えています。受験とまんがの組み合わせで新しいマーケットが生まれたので、それは活用したい。いろいろな可能性がありますよね。こ れで終わりにしてしまったらもったいない。

あと、『ドラゴン桜』では情報の価値に気付かされました。物語だけでなく、有益な 情報が盛り込まれていることが人気の秘訣になるんです。

それまで僕は、まんがって自分の畑にできたものを売るものだと思っていたんですが、 『ドラゴン桜』のように、よその畑でできた野菜を手間暇かけて加工して売るという やりかたもあるんですよね。

なんにせよ、次回作も、雑誌と世の中のニーズをきちんと分析して、また違うかたち で社会的なムーブメントを引き起こせるようにしたい。

あ、もちろん、また野球まんがもやってみたいと思っていますよ。

----期待しています。本日は、お忙しい中、本当にありがとうございました。

三田紀房プロフィール

三田紀房(みたのりふさ) 1958年、岩手県生まれ。

明治大学政治経済学部卒業後、一般企業に就職。直後、家庭の事情で退社し、家業 の衣料店を兄と共同経営するが上手く行かず、賞金目当てでまんが家を志す。1988 年、講談社「モーニング」で新人賞デビュー(当時30歳)。その後、高校野球まん が『クロカン』『甲子園へ行こう!』で注目を集め、2005年、大学受験をテーマに した『ドラゴン桜』で第29回講談社漫画賞、平成17年���文化庁メディア芸術祭マン ガ部門優秀賞を受賞している。


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2007年04月23日