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第30回 本仮屋ユイカ『日本ならではの世界』

本仮屋ユイカ
本仮屋ユイカ(女優)
1987年、東京都生まれ。主な出演作品にNHK朝の連続テレビ小説『ファイト』(主演)、映画『スウィングガールズ』『吉祥天女』『ドロップ』など。現在、『夫婦道』(TBS)に出演中。

 子供の頃は歯医者さんに行くと『ちびまる子ちゃん』を読むのが楽しみだったんです。待合室でいつも大爆笑。自分は絶対まる子ちゃんのタイプだと思っていたんですけど、母に言ったら「まる子ちゃんより、ゲストで登場する変わった子の方がはまっているかも」と言われてガッカリしました(笑い)。
 高校時代は『20世紀少年』に夢中でしたね。あまりにもリアルなので「ともだち」が実在するような気がして、怖くて眠れなくなりました。少女マンガでは、矢沢あいさんの『天使なんかじゃない』や魚喃キリコさんの『blue』が好きです。魚喃さんの世界は「日常から8センチ浮いた感じ」で、女性に人気があるのがよくわかります。大学に入ってから、初めて『ブラック・ジャック』を読んだんです。あんなに可愛い絵なのに、人間の冷たさや本質的な部分がしっかり描かれていて驚きました。この深さが手塚治虫先生なのかと。
 映画に出演させていただいた『ドロップ』は、小説もマンガも読みましたよ。私が演じたミユキは、マンガではまだ出てこないんですけど、小説には登場します。マンガでは(主人公の)ヒロシが可愛いですね。ケンカの場面にも恐怖や嫌悪感が全然なくて、むしろ爽快感があってハマっちゃいました! 私もケンカしてみたい、と思ったくらい(笑い)。
 最近読んで面白かったのが『幻仔譚じゃのめ』です。「神社の陰に何かいるんじゃないか」とか、「狐のお面」にちょっと恐怖を感じるのって、日本独特の感覚だと思うんですよ。それを全面に出した世界観が新鮮で面白かったです。主人公の朝灯や邑という名前も印象的。オシャレだし、和の雰囲気が作品世界に似合っていて、ステキだと思いました。
 邑が朝灯の「目玉を借りる」場面って、言葉で聞くとグロテスクなんだけど、独特の色っぽさがあってセクシーなんですよね。思春期の少年少女らしい緊張感もあって、ドキドキしちゃいました。大きな虫やお化けが出てきて、すごい迫力なんですけど、柔らかいタッチで細部をぼんやり描いてあるから、あまりグロくならない。怖いんだけど気持ち悪くはなくて、抵抗なく読めるんです。女性にもお薦めですよ。(談)

(2009年5月29日(金) 朝日新聞 東京夕刊 「コミックブレークより転載」)

幻仔譚じゃのめ

『幻仔譚じゃのめ』
梅田阿比
秋田書店 既刊2巻
6月8日に第2巻発売
定価・各420円(税込み)
●「週刊少年チャンピオン」連載中

2009年06月18日